パニック発作寸前の夜散歩

カーテンの隙間から漏れてくる太陽の光が印象的だった朝の目覚め。

珍しく忍の寝床に陣取る勾玉。

夕方、散歩に出かけるが色々と忘れ物をして戦意消失したため途中で帰宅。

夜散歩で発作寸前

夜散歩に向かう。

いつもの周回コースを回るのではなく、最寄りの飯屋を目的地に設定する。友人と飯を食う話があり、まずは目的地まで辿り着けるのかを試す。

歩き出してから10分程、道に水を撒いてるおじさんに声を掛けられる。

「邪魔でごめんねえ」

「いえいえ大丈夫です」

「明日は仕事かい?」

「明日は休みなんですよ…」

軽く胸に刺さった言葉に苦笑いしながら通り過ぎ、程なくして大通りに出る。時折、頭の中心部あたりに軽い圧迫感を感じるが、ひたすら歩く。

目的地の飯屋に到着。緊急事態宣言は解除されたが、この時間はすでに閉店している。目的は達成したので予定していた帰り道に向けて歩き出すが、体調が不安だったので予定を変更して来た道を戻ることにする。

歩きながら「発作が起きるのではないだろうか?」という不安が膨らみ始める。そう思い込んだ途端、動悸が激しくなるのを感じる。軽くよろめき、車のライトがやけに眩しい。

大きな不安と動悸の波が襲うたびに歩きながら呼吸を整える。スマートウォッチを見ると心拍数は135。水で喉を軽く潤し、フリスクを頬張りながら音楽をかける。

折れそうな心を音楽で鼓舞しつつ、いざという時は横になれそうな場所を見つけながら歩く。

何度か襲ってくる大波を受け流しながら、ひたすら歩く。往路でおじさんに声を掛けられた場所に辿り着いたあたりで、ようやく大波が小波に変わる。何故かおじさんに感謝の気持ちを抱く。

自宅前の公園のベンチに腰を下ろした頃には心拍数もすっかり下がる。現金なものなのだなと、自分の身体ながら苦笑い。

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