NHKスペシャル 立花隆最前線報告「サイボーグ技術が人類を変える」

NHKスペシャル 立花隆最前線報告「サイボーグ技術が人類を変える」を観た。
たまたまNHKで流れていた特集に目が釘付けになった。

【2021/06/21 追加】
立花隆最前線報告 「サイボーグ技術が人類を変える」

考えた通りに動く義手で、晩酌をするご婦人。
人工内耳で聴覚を手に入れ、華麗にバイオリンを演奏する子ども。
考えるだけで画面上のカーソルを操る、頸椎損傷の男性。

このように脳と機械を直接結びつけて
機械が取得した情報を、電気信号に変えて脳に伝達し
脳が発する電気信号を、命令として機械に伝達するシステム
この技術を”Brain Machine Interface, BMI”と呼ぶ。

それは『攻殻機動隊』や『マトリックス』の世界を思い起こさせ
胸をワクワクさせながら、テレビにかじり付いていた。
こうした世界に憧れ、小学校の卒業文集で
将来就きたい職業に「脳神経外科医」と書いた
こまっしゃくれた、そんな遠い昔を思い出していた。

しかし、サイボーグ技術は、失われた機能を補完するだけでなく
人の「感情」の領域にまで、踏み入れようとしている。

「CG25」と呼ばれる脳の部位、別名「悲しみの中枢」。
ここを刺激することで、悲しみの感情を抑制する方法を用いた
「うつ病」の治療が行なわれている。

現在、その他の感情を司る部位の研究も進められているという。
いずれ喜びや怒り、果ては快楽といった感情までも
外部から自由に操られる日が来るのだろうか?

踏み入れようとしているのは「感情」の領域だけではない。
人の「意志」の領域にまで、踏み入れようとしている。

コントローラーで右へ左へ、果ては苦手な高所へも
ラジコンのように操作されるネズミの実験。
命令を実行した後で、快楽中枢を刺激して「報奨」を与えることで
命令に忠実に従うよう「コントロール」されている。

こうした技術に、多大なる関心を寄せているのが
米国国防総省の「国防高等研究事業局」。通称、DARPA。
この技術を用いて、兵士の能力を極限にまで高めようとしている。

「快楽」を与えることで、外からの命令に従わせる仕組みに
行動原理の本質を突かれたような、抗しがたい納得と
虐待にも近い動物実験に対して、生理的嫌悪感を抱いた。

さらに、この技術は、人の「記憶」にまで及ぼうとしている。

この分野は、研究の途に着いたばかりのようだが
記憶を司る部位、「海馬」に流れる電気信号を解析し
それをPCなどに保存しようと試みられている。

この研究が進み、「記憶」の出し入れが
ゲームのカセットのように可能となったとしたら
他人の記憶をも共有できる日が来るのかも知れない。

「感情」、「意志」、「記憶」
人間の根幹に関わる部分にまで、手が加えられた人間は
果たして、手を加えられる前と同じ人間だと言えるのだろうか?
それは、人間の進歩と位置づけることができるのだろうか?
そして何よりも、人間に幸せをもたらすのだろうか?

-この世に生を授かり、愛情を受けて育ち
-愛する人と出会い、子どもを授かり
-愛情を込めて育て、そして死を受け入れる

遙か遠い昔から繰り返されてきた、数多くの尊い反復の中にこそ
喜びと幸せ、そして種としての人間の進歩を見出してきたのであり
人間は、それで充分な満足を以て生を全うできると思うのだが。

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